2008年に起こった「リーマン・ショック」で世界経済が大混乱に陥る中、いち早くバブル崩壊の兆候を読み取り、巨額の利益を得た投資家たちもいた。映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は実話を元に、彼らがどのように住宅ローン投資の破綻を予測し、「世紀の空売り」を成し遂げたのかを描く映画。
クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットなど豪華なキャストが出演しています。
私は以前 FX(Foreign eXchange, 外国為替証拠金取引)を少しやったことがあったので、タイトルの「ショート」が空売りのことだとなんとなく予想出来ましたが、まったく知識なしで日本語字幕を追うだけでは最後まで意味が分からなかったかもしれません。
新型コロナも経験した今となっては遠い過去、突然起こったように見えるリーマン・ショックも、主人公たちのように怪しい投資商品の中身を真摯に検証していけば予測可能であったことが新鮮に見えました。今もどこかで金融危機の火種が燻ぶっているのかもしれない、買っている投資商品が大暴落するかも、とドキッとしました。
印象的だったのは、主人公たちが空売りに成功し巨額の富を得た瞬間も、まったく「勝った!」とか「いえーい!」という雰囲気にはならず、ただ淡々とホワイトボードの数値を書き換えるシーンでした。金融知識が増えたころにもう一度見たい。この映画をもっと味わうために勉強したい。そう思える映画でした。