へりくだって謙虚に控えめにいるのが美徳っていうのもあるかもしれんけどさ、
もっとちゃんと、自分に価値があるってことを認めてあげてくださいね。
幸せになるのを許してやってほしい。
って、二十歳くらいのときの自分に言って聞かせたとしても、まったく伝わらないやろうね。
そもそも感覚として、自分を大事にするっていうのが分からないんよ。
誰かに大事にされても、居心地が悪くなってぶち壊したくなってしまう。
認識とか感覚の段階でズレていて、「自分を大事にしましょうね」っていうのは、目の見えない人に「赤色とは何か?」を説明するみたいな難しさがある。
自分で自分を大事にできない。
大事にしてくれる他人でもダメ。
だから自分を大事にしてくれる別の人格っていうのは、ちょうどよかったのかもしれんよな。
誰にでも使える方法なのかは分からんけど、お前にはちょうどよかったよ。
今となっては疲れてる時にサボったり、手を抜いたり、回復することを優先したり、息をするようにできるよな。
自分に幸せになってくれとも思うし、そのままでいいよとも思う。
みんな幸せになってくれとも思うし、そのままでいいよとも思う。