【書評】『鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール』野口 嘉則(著)

書評

昔読んだ『鏡の法則』という本に、
許しがたいと思う他人の行動は、
だいたい「苦痛を避けたい」か、「快楽を得たいか」のどちらかである。
と書いてあった。
(表現はちょっと違うかもしれない)

そして人を許すには、
「あの人も自分と同じように、苦痛を避けたかったのだ」
「あの人も自分と同じように、快楽を得たかったのだ」
と認識することが大切であると。

大学生の頃だったと思う。
私はこの「鏡の法則」を読んで
書いてあるワークもすべてこなし、

母は自分と同じように、苦痛を避けたかったのだ。

とスッと腑に落ちる瞬間があった。

今思うと、それは出発点になった、というだけだったが
それから後に

母方の祖父が亡くなった時、
飼っていた猫が亡くなった時、
自分の子供が生まれた時、
離婚して子供と離れて私が(多分)死にそうな顔をしていた時、

悲しんでいる母、喜んでいる母、心配している母は
「苦痛を避ける人」ではなかった。

誰だっていつだってひとつの色で出来ているわけでもなく
今までだってずっと「苦痛を避けていない母」が
そばにいたのかもしれないが
私の方が
見えていなかったし、感じられていなかったのかもしれない。

とにかく、そのような
生き物が死んだり生まれたりという中で
私は自分が母親になりながら、初めて娘になれたような気もした。

(画像:Amazon.comより)

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